あわて幕やぶけ芝居

  

 

  

 

 

あわて幕やぶけ芝居
-東京空襲 三 ・ 一 〇 -

作 大橋 喜一
演出 杉本 孝司
 
 
 
ものがたり

東京の下町にある その名も劇団 『下町』の、今回の公演テーマは ´江戸の火事´ 。
ところが、劇団のリーダーで作・演出も兼ねる 哲平さんが書いてきたのは、
なんと ´東京大空襲´ 。

『火事じゃないじゃん、戦争じゃん!』 ワイワイガヤガヤもめてはみたが、
結局は 『まッ、いっちょうやってみっか!』 の軽いノリ。
そこが長所でもあり 短所でもある 素人劇団。
空前絶語の ´明るく楽しい(!?)空襲芝居´ に乗り出した。

作劇スタイルは 『デタラメ・リアリズム』 。

演技スタイルは 『 新派調 』 に 『 歌舞伎調 』 、
『 新劇風 』 に 『 唄って踊れるミュージカル風 』 と つまりはバラバラ。
´あわてる´わ´やぶける´わの大騒ぎ。

それでも始まる 『 東京大空襲三・一 ○ 』 舞台となるのは
東京・下町ー菊川町第二八隣組。

登場するのは、哲平の父で炭屋を営む 沢村勇作 一家。
脇を固める 隣の鉄工所の大将。
向こう隣の 洋服屋。その他 町内の面々。ーのはずが、
そこは『 あわて幕・やぶけ芝居 』。

《目》なる 不可思議な人物や
アメリカ空軍パイロット、ヘンリーにハワードの乱入と、
舞台は 脱線しっ放し。

おまけに 舞台は昭和十三年からはじまる 超大河ドラマ。
上演時間内に無事、
昭和二十年三月十日 に行き着くことができるやら…。

舞台監督もおおわらわー。