未来への課題
『生きている!』これが『夏の庭』での第一声のセリフです。
これは観客のみなさんへのメッセージであり、 私たち舞台を創るスタッフ・キャストへの呼びかけでもあります。 現在の社会が抱えている、家族のあり方、お年寄りの孤立、孤独死等を、 時には厳しくあるいは切なく、心に響く言葉を織り込みながら、 この原作は『現実』に真正面から立ち向かっています。
2011・3・11は、私たち演劇を創造するものに 大きな衝撃を突き付けられました。 いま演劇に何ができるか?という自問自答でした。 3・11の意味するものをどう表現し伝えて往くか 私たちの課題だと思いました。
そして今回の『夏の庭』を取り組むことを決意しました。 劇中『生きているのは息をしてるってことだけじゃない』というセリフがあります。 失われ逝った人々への思いを寄せながら、 いまある生を育む大切さを感じ取って頂ければ幸いです。 原作のもつリズミカルな言葉のテンポを大切にした舞台をお届けしたいと思います。
そして多くの子どもたちに心をこめて…
演出 印南貞人
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